前書き
本記事は、zakky_devが仕事でのチームにおいて実践したふりかえりのメモです。
「ふりかえりをチームに導入してみたけど、他の人ってどうやってるんだろう?」
みたいな人の参考になればいいなー、と思っています。
背景
採用したアクティビティ
フェーズ | アクティビティ |
---|---|
場作り | 独自手法 |
データ収集 | タイムライン |
アイデア出し | 学習マトリクス、ドットによる優先づけ |
何をすべきか決定する | -(後述) |
ふりかえりのふりかえり | +/Δ |
これらのうち、このふりかえりまでにzakky_devが自発的に使ったことのあるアクティビティは「ドットによる優先づけ」と「+/Δ」のみでした。
場作り: 独自手法
初っ端から独自手法かよ! と怒られそうですが*2。 後述する「タイムライン」に合わせ、メンバーのその日毎の感情を、簡単なイラストで描いてもらいました。
こんな感じのイラストです*3。
予定していた時間は5分でしたが、実際には7.5分程度必要でした。
- 良かった点
- 自己開示がしづらそうなメンバーに気がつけた。
- フラットな表情の顔イラストを描かれがち。
- イラストに個人差が出て*4、なかなか楽しい感じでふりかえりを開始できた。
- 自己開示がしづらそうなメンバーに気がつけた。
- 駄目だった点
- 持ってくる予定だった「ふりかえり読本 場作り編」を忘れてしまった。
- イラストの例は示したものの、自由に描く必要があり、メンバーを困惑させた。
データ収集: タイムライン
アジャイルレトロスペクティブズにある手法です。 ふりかえる期間について、時間軸に沿って発生したイベントを書き出し、参加者に共有します。
今回のふりかえりでは、ホワイトボードと付箋を利用して実施しました。 付箋の色を感情に対応させ、書いた人が発生したイベントに対し、どう感じていたのかを見られるようにしました。
具体的には下記の流れで実施しました。
- 個人ワーク
- 個々人で発生したイベントを付箋に書き出しました。
- 予定していた時間は5分でしたが、実際には7分必要でした。
共有、追記
- 個人ワークで書いた付箋を共有しつつ、時間軸に合わせてホワイトボードに貼っていきました。
- 途中で思い出したことがあれば、その場で付箋に書き、追加してもらいました。
- 予定していた時間どおり、10分で終わりました。
良かった点
- イベントが集中している日や、その日に抱いた感情がわかりやすい。
- 駄目だった点
- 付箋の色と感情のマップを捨ててしまい、後から見て思い出すのに苦労した。
アイデア出し: 学習マトリクス、ドットによる優先づけ
どちらの方法も、アジャイルレトロスペクティブズにある手法です。 下記4つの内容について、アイデア、意見を出し合います。
- 良かったこと、続けたいこと
- 嫌なこと、変えたいこと
- 新しいアイデア
- 感謝
今回のふりかえりでは、ホワイトボードにメンバー自身がアイデアを書くようにしました。 アイデアを書き出した後、「ドットによる優先づけ」で、チームとしてどのアイデアに対応するか決めました。
予定時間と実績は下記です。
- 学習マトリクス
- 予定していた時間どおり、10分で終わりました。
ドットによる優先づけ
- 予定していた時間は5分でしたが、実際には2分で終わりました。
良かった点
- 明示的に「感謝」が伝えられる。
- 駄目だった点
- 「変えたいこと」が少なかった。
- やっている活動への関心が低い可能性がある。
- 書くことに集中して会話がなくなったため、書いた内容の認識合わせが後回しになった。
- ホワイトボードが一つしかなかったため、タイムラインの裏面に書くことになり、タイムラインを見るために裏に回り込む必要があった。
- 「変えたいこと」が少なかった。
何をすべきか決定する: -
今回のふりかえりでは「こんな感じで対応しようか」というノリで対応方法を決めてしまいました*5。 「ドットによる優先づけ」で選ばれたアイデアを、チーム内で軽く話し合った程度です。
予定していた時間どおり、10分で終わりました。
- 良かった点
- 駄目だった点
- そもそもやっていないのだから駄目もなにも……。
ふりかえりのふりかえり: +/Δ
アジャイルレトロスペクティブズにある手法です。 開催したふりかえりについて、下記2つの内容を書き出します。
- +: ふりかえりで良かったこと、続けたいこと
- Δ: ふりかえりで悪かったこと、やめたいこと
今回のふりかえりでは、メンバー全員にキャップを外したホワイトボードマーカーを渡しました。 その上で、誰かが言ったことを、別の誰かが書き留めるようにお願いしました*6。
予定していた時間どおり、5分で終わりました。
- 良かった点
- メンバーがふりかえりに対して感じた良し悪しがわかるため、次に使える知見が得られる。
- 短い時間でもそこそこ意見が出る。
- 駄目だった点
- 言う人、書く人が偏りがち。
- 手法ではなくチームの問題な気がする。次回以降のふりかえりで問題提起する予定。
- 言う人、書く人が偏りがち。
個人的なふりかえりのふりかえり
良かった点
- 1.5h以内にふりかえりが終わった。
- チームビルディングが不十分らしいことに気がつけた。
- この記事を書いたことで、いくつかの手落ちに気がつけた。
- メンバーから「楽しかった」という声が出た。
駄目だった点
- テーマを設定せずにふりかえりを行った。
- 「何をすべきか決定する」フェーズを軽視していた。
- ホワイトボードが足りなかった。
次回に向けて
- チーム内の心理的安全性を測定する。
- cf. Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams
- 上記の結果次第で、チームビルディングのためのふりかえりを実施する。
- 「何をすべきか決定する」フェーズを組み込んで実践する。
- ホワイトボード購入依頼を出す*9。
最重要セクション: 参考資料
本記事で最も重要なセクションです。 他のセクションは忘れてもいいです。ここにある本や資料を読みましょう。
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